大使館とのイベントやサマーキャンプで国際感覚を身につけ国際理解を実践するリトルアンバサダー(国際理解教育・幼児教育)TOPページ > 大使館との国際理解「Meet the World」報告 > エルサルバドル共和国の大使館との国際理解

Meet The World! それは世界の人々と信頼の輪を広げ、お互いの力を分かち合っていこうとする
リトルアンバサダー(小さな親善大使)の合言葉。
リトルアンバサダーたちは、駐日の大使館の協力のもと、その国の親善大使としてのミッション
(多言語環境のアクティビティー)を通じて、国際感覚を身につけ国際理解を実践します。

国際感覚を身につけ国際理解を実践する1日
(エルサルバドル共和国大使館)
※岩手県釜石市で開催



Meet the World 〜 República de El Salvador 〜
2011年7月15日




エルサルバドル代理大使と岩手県釜石市へ(竹村のブログより抜粋)

岩手県釜石市へ:

7月14日(木)~15日(金)にエルサルバドルの代理大使と岩手県釜石市に行って来ました。

4月に代理大使が「今すぐにでも鵜住居小学校の子ども達に会いたい」とおっしゃって動き始めてから、子ども達の環境が落ち着くまで待つ事3ヶ月。
ついに実現です!

今回は2班に分かれて、私と代理大使は電車で。
そしてもう一班はプログラムの荷物(調理道具や食材など)を積んで車で移動。

電車は東京から新花巻まで行って、そこから釜石線で釜石までの合計6時間。
6時間って結構長いと思ったら、おしゃべりして景色を見ていたらあっという間でした。

鵜住居小学校の生徒さんは1年生~4年生と5~6年生に分かれて
津波の被害を受けなかった小学校に間借りしています。
今回交流を行ったのは小佐野小学校にいる5~6年生。

駅についてその足でまずは学校へ。
釜石って涼しいかと思ったら暑いんです。
テレビでも暑いって言っていたけど、「でも東北だし~」と思って甘くみていたら、東京と同じ暑さ。
校長先生、教頭先生と6年生の先生とお会いして打ち合わせをしたのですが荷物を持って駅から歩いたのと、学校はクーラーがないので先生達も私ももう汗が滝のようにあせるみんなタオルで汗を拭いながらお化粧なんてどこいっちゃったの??っていう感じ。

会場を見せて頂いて、プログラムの確認をして、到着していた車班(午前4時半にでて、15時半に到着)とも合流して、荷物を搬入したら準備完了!明日を楽しみに!

釜石市で営業を再開したホテルに宿泊:

ホテルは釜石市で2つだけ借りオープンしているうちの1つ。
そのホテルも周りのビルも街全体が津波に飲み込まれたので廃墟になった街に目の前のコンビニとともにポツンとオープンしているホテル。夜になると辺りは真っ暗です。
信号もすべて消えているし、ホテル以外に明かりなどあるわけもなく
周りを歩こうものなら、そこにあるのは津波の残骸...。
岩手県釜石市※ホテルの部屋から撮影

ホテルの方は「クーラーも食堂もなく色々ご不便をおかけして...」
とおっしゃるのですが、もうオープンして下さっているだけで感謝!です。
どうしようもなければ車の中で過ごそうかと思ったのですが、そんなことをしたら確実に熱中症で倒れていましたよ。
ラッキーだったのは、シャワーも使えないと言われていたのが11日から使えるようになっていたこと。
さすがにこの暑さでは汗を流さないと眠れません。
(避難所の方からすればそんなことも我がままですが...)

被災した鵜住居小学校へ:

次の日の朝は早起きをして学校に行く前に鵜住居小学校を見に行きました。
前の日にも行ってみたのですが、先生との打ち合わせが終わって搬入などしていたら、着いたときには19時ですでに真っ暗星空。
何も見えない状態で学校らしき影に向かって進んだものの、道なき道をまったく土地勘がない中で進むのは危険なのと、まだ引いていない海水などに阻まれて断念しました。
翌朝行ってみて、正直よく暗い中走ったな...という状況なのに唖然。

途中の集落は壊滅状態で1mの間隔も空かずに無数の赤い旗が立っていました。
すぐ裏が高台だし、大きな道が上り坂になっているのでそこを登ればよかったのに。
と安易に思ったのですが、先生に話を伺うと地震とともに停電になって
津波警報も村の警告の放送も何もなかったそうです。
それにその集落と海の間には巨大な堤防があって(結果1/3が決壊)
それに安心していたのかも...。
私達には想像がつかない状況があったのでしょうね...。
岩手県釜石市※移動中の社内から撮影

これはすぐ隣にある中学校なのですが、こんなに海が近く。
鵜住居小学校近辺※鵜住居小学校に隣接する中学校

周りを見渡して、「いったい361名もの子ども達がどこに逃げたの???」
と思うぐらい高台がないんです。
強いて言えば裏の林ですが、登るには細い道1本しかないし、
とても361人(中学生もいれると562名)が避難する場所があるとは思えず...。

今はがれき置き場になっている鵜住居小学校周辺。
こんなに高く積まれて、トラックが次々に来てはがれきを運んでいました。
鵜住居小学校※鵜住居小学校
鵜住居小学校※鵜住居小学校(校庭)

先生に避難経路を聞いてみると私達が学校に向かって入って行った
その道を内陸方面に逃げたそうです。
1.3キロほどを562人が整然と。
どうやったらパニックにならずに短時間でそんなことができるのか疑問だったのですが、その後のプログラムでの子ども達を見て納得しました。

現在の鵜住居小学校へ:

もともと東北の小学校でのプログラムは
「被災した子ども達を笑顔にしたい!」と言う思いで始めたものなのですが、鵜住居小学校の子ども達と1日過ごして「笑顔にしたい」なんていう言葉はおこがましかったと思いました。

子ども達の中には家を失い、今も避難所で過ごす子もいます。
親御さんを亡くした子もいます。
寒空の中、津波を目の当たりにして、その後の凄惨な状況も体験した子達です。

釜石がつないだ未来への希望-子ども犠牲ゼロまでの軌跡-
「避難3原則」守り抜いた釜石の奇跡

それでも子ども達はパワーに満ちあふれていて、東京からポッとやってきた私達を笑顔いっぱいで温かく迎えてくれました。
正直最初はちょっと緊張した様子でしたが、すぐに仲良くなって「ゆ~じ~」「あにき~」と私の息子達ともじゃれて走り回るぐらい。
帰りは玄関のところにみんな来て見送ってくれました。

やっぱり子どもの力はすごい。
もちろん裏にはまだまだ傷ついた心や寂しさももちろんあると思います。
でもそれを上回るパワーがある。

この報告の中では子ども達の顔の写真を載せられないのが残念なのですが、
みんな本当にいい笑顔をしていて、こちらが力をもらいました。
「被災支援」ではなく、単純にまたあの子達に会いたい。
笑顔をみたいです。

プログラムは5年生と6年生に行いました。
1時間目:5年生へのエルサルバドルの紹介と手遊び、ゲーム
2時間目:5年生とのPupusasのクッキング
3時間目:6年生へのエルサルバドルの紹介と手遊び、ゲーム
4時間目:6年生とのPupusasのクッキング
国際理解・国際理解教育

今回なぜ私達がここに来たかという理由を話し、
エルサルバドルやスペイン語の紹介
My name is=Me llamo○○ って言えるかな?
まだまだ緊張してみんな声が小さいよ~。
エルサルバドル大使館との国際理解・国際理解教育

エルサルバドルのじゃんけんは日本のじゃんけんとは違うんです。
奇数と偶数を選んで、「Uno!Dos!Tres!」でじゃんけん!
合計の数が奇数だったら、奇数を選んだ人の勝ち。引き分けはなし!
負けた人はあらかじめ2つもらっていたおはじきを勝った人に渡します。
エルサルバドル大使館との国際理解・国際理解教育

マルタ代理大使が追加のおはじきを持っているので、負けた人は
'Can I have two chips, please?'と言ってもらいにいきます。
英語の練習もしながら、みんなでじゃんけん遊び。
やっぱり子ども達は身体を動かしながら遊ぶのが大好きですよね。
このじゃんけん遊びで一気にテンションアップ!!

まだまだゲームは続きますよ!
マルタ代理大使のお父様が送ってくださったおもちゃの登場。
エルサルバドル大使館との国際理解・国際理解教育
結構難しいんです。代理大使が見本を見せると
「お~!」「すげえ~!!!」「わあ~!!!!」
ああっ、なんて素直な反応!

Pupusasというトウモロコシの粉を水に溶いて中にチーズを入れて焼いた薄いおやきのようなもの。
トウモロコシの粉は独特の香りがするのでその初めての香りに子ども達、どんな味だろう?と
マルタ代理大使のデモンストレーションに釘付けです。

それぞれのテーブルでクッキング始め~!
エルサルバドル大使館との国際理解・クッキング

トウモロコシの粉はさらさらで水を入れるて混ぜると
とっても気持ちがいいんです。
この時に混ぜるのは絶対に手で。
そこからペタペタ作るのも手袋なしで。
その代わりしっかり手は洗って、アルコール消毒をしてからね!
エルサルバドル大使館との国際理解・PUPUSAS

この感触と香りが心の癒しにもいいのよ。
と代理大使がおっしゃっていた通りで子ども達のうれしそうな顔。

焼くとまたいい香り!

できあがり~。
いっただきまーす!
pupusas

「あちあち~!」と言ってチーズをびよ~んと伸ばしながら頬張るのがまたまたかわいい。

チーズを山ほど持っていっていたので配って歩くと
「チーズ焼いて食べた~い!」やら、
「チーズ上にものっけていい?」
それぞれアイディアを凝らしながら楽しんでいました。

もう本当にあっという間の4時間でした。
みんなの笑顔を見ているだけで私は幸せで胸がいっぱい。
ボールやフライ返し、コンロ、材料などすべて持って来たので
かなりの大荷物でしたが準備して本当によかったです。

そして最後に色々な国の子ども達から預かった応援メッセージと沢山の方かた預かった歯ブラシを渡しました。

ああ、もっともっと一緒にいたかったのですが
時間はあっという間に過ぎてしまいました。

お昼休みなのに、みんなが荷物運びを手伝ってくれて、玄関まで見送ってくれました。
「またな~!」って。

ご多忙な中、受け入れてくださった鵜住居小学校の先生方、そして学校や教育委員会との連絡を取り合ってくださった「三陸の子供たちを元気づける会」の小笠原様に心から感謝致します。
本当に有難うございました。

さて、1日のプログラムを通してどうして子ども達が整然と逃げる事ができたのかがよく分かりました。
良い意味で昔ながらの団体行動が徹底されていました。

ホールに入ってくる時もすでにみんな整列した状態で1列ずつ入ってきて、あっという間にグループごとの列になって座り終えていました。

10のテーブルに分かれる時もまずは別の場所にグループごとの列になって座ってから先生の指示にしたがって1列ずつがテーブルに向かいます。

集合写真を撮る時もみんなで列になって並んで座っている状態から
まず1クラスが離れて、それから先生の指示に従って前列から座っていきます。

すごいな~とただただ感心。
この徹底された団体行動がみんなの命を救ったのです。

それでもクッキングの時を見ていると指示待ちではなくて
自分達で考えて改良を加えたり、自発的に洗いものをしてくれたり、
考えて動いていたので、とても優秀な子ども達です。

鵜住居小学校の子ども達がこれをきっかけに海外にもっと興味をもったり
エルサルバドルのことを知って将来外にでてくれたら嬉しいですね。

またあの子達の笑顔に会いに行かなくっちゃ。

この日クッキングした料理:

Pupusas

この日、鵜住居小学校の皆さんに届けた、世界からのメッセージ(抜粋):

震災メッセージ(リトルアンバサダー)震災メッセージ(リトルアンバサダー)
震災メッセージ(リトルアンバサダー)震災メッセージ(リトルアンバサダー)
震災メッセージ(リトルアンバサダー)
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